マインドコントロール優生政策社会学親の会運営論説

論説:障害児親の会と出生前検査へのマインドコントロール

近年、政府厚労省と日本医学会が、日本の全妊婦に対してダウン症児に対する出生前診断の周知徹底を進めております。特に2023年1月に妊婦に対して巧妙に検査と中絶に誘い込むさまざまな企みが実施されています。これは組織的なマインドコントロール手法を利用した障害を持つ命に対する選別排除で、第二次世界大戦時に日本の同盟国ナチスドイツ政権が障害者を全て殺して優秀な民族を作ろうとしたT4作戦と同様の優生思想に基づく、政策です。
この優生政策の恐ろしさに気づかない人がとても多い事を危惧しております。戦争の記憶が薄れたところに軍備拡大を図る政府の姿勢と共通する恐ろしさがあります。マスコミも「出生前診断の報道はこぞってやっていながら」、これと関連した障害を持つ人の人権問題は取り上げようとはしません。

さて、優生政策を進めている国や医学会が、胎児がDNA解析で逆立ちしても人間以外の生物ではないのに、妊婦、それも赤ちゃんに愛情が生まれない妊娠初期に、徹底的に、胎児の障害や病気の情報を注入して、心の中をネガティブ情報でいっぱいにする。そのうえで、血を取る検査だけで簡単に不安が払拭できますよと恐怖からの脱出法を示唆します。この状態になると妊婦は不安から逃れたい思いがいっぱいになり、喜んで20万円以上払って採血をするわけです。その結果、我が子を殺すことになるかもしれないなどの説明は当然しません。対象になっているダウン症という障害が極めて軽度で幸福な人生を送れ、良き家族になる情報も、彼らの笑顔も決して示さないのです。

これは巧妙にカモに近づき、話やビデオにより根拠なき恐怖を植え付け、恐怖のドン底まで追い込んで行ったところで、そこから抜けられる、救済できる方法を提示するわけです。これはカルト宗教団体が常用して多くの人を不幸に陥れているマインドコントロールの手法と同じ理論です。カルト教の場合には、数珠であったり壺であったり、高額の献金であったりするわけです。

この事が問題であると茨城県ダウン症協会の会報で会員に伝えようとしたところ、書きたいのなら、会の総意ではないと明記しろとか、個人の投稿だと書けなど、信じられないようなコメントや人格攻撃をしてきた役員が数人ほど出てきました。私はその状況を客観的に見てこの論説をまとめなければと考えました。親の会の会員や役員の殆どは優生学についての問題を学んだこともなければ、調査検討した形跡も無いと思われます。これは特別支援教育の教員など学識経験のある人には当たり前に理解できることなのですが。

普通の人はこのようなことを考えなくても良い社会であるべきなのですが、問題について無知であるだけなのか、特定の勢力により洗脳や圧力を受けている人たちの受け取り方や反応は様々でした。

ダウン症の親でありながら(知ってか知らずか)国の政策が子供を不幸にしているということに気づかない状態になっているのは私の目には明らかです。親の会と言うのは誰でも会員や役員になれる自由さがあり、これが良い点なのですが、考えのない人や、あまりにも偏った人や話し合いや別の人の情報や意見を取り入れることのできない人が役員などになって、動き出すとそれを止める勇気のある人も出てこなくないため(面倒なことにかかわるために好んで議論に参加する人はいません)、会がどんどん軌道を外れて、軌道修正が困難になります。こういった面倒くさいことを避けたり、会をやめたり、無言でいる人がとても多いのです。

その結果が、岸田文雄総理大臣名の国会答弁書に書かれた、「後段のお尋ねについては、専門委員会及び運営委員会に、ダウン症等の者の保護者が所属する団体の代 表者及び障害者又は障害児に関する保健医療福祉関係者が委員として参加しているところであり、これらの場を通じて、「遺伝的な病気のあるお子さんを持つ方々の要望」等を把握しているところである。」という文書が2月17日に出たばかりです。閣議決定を経て公開されている政府の公式見解です。 これを百溪的に要約すると、「現在進めているダウン症の命に対する出生前検査による選別と親の自己決定に基づく中絶による排除は日本ダウン症協会など患者団体の意見を聞きながら(了解のもと)進めてきているものである。」ということです。国家が、障害者に対する優生政策を公然と認めたもので近年では稀な政府見解だと思います。

巧妙に下ごしらえをしておくと、大人の人であっても容易に魔物の牙にかかってしまうのです。私の専門は自己免疫難病や感染症の研究ですが、病理学的な研究を通じて養ってきた原因不明の疾病の成り立ち解明のための目と考え方は社会病理現象の解明にも役立つと思っております。ダウン症の子供をしっかり守る親の会が増えることを願っています。皆さんの参考になれば幸いです。

(百溪英一:DSIJ・茨城県ダウン症協会:IDSA事務局長、東都医療大学客員教授)
*これは事務局長がFBに投稿した文章に加筆したものです。

イラストは ダ鳥獣戯画より

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