人権公開セミナー出生前診断学習会

阿部知子衆議院議員のコメント(3.17学習会)

阿部知子衆議院議員(立憲民主党)からのメッセージ

「出生前検査と障害者の尊厳、人権学習会」3月17日(木曜日)午後1:00~ 3:30  参議院議員会館

 今日の熱心なお集まり、もっと多くの国会議員に聞いてほしいと思いました。

 私自身は小児科医で、昔からダウン症のお子さんなどもたくさん診て来ていて、本当に可愛らしいし、親御さんたちもその子達と出会えたご縁を大事に、本当に大事に生きていらっしゃると思います。

 でも世の風潮は、やっぱりダウン症の子なんか持ったら不幸だと、ダウン症のみならず、とにかく、障害を持ったら不幸だという、何の根拠もない、何の、なんでそんなこと言っているのかという言質、言葉が流布されています。で、そういう中で、船後さんがおっしゃったけれど、自分の存在が同じように困難を抱えた人を支えて、生きていける、生きていく、生きているんだということを示すということが何より大事なように、ダウン症のお子さん方や親御さんたちもそうして生きてくださっています。

 私は2点、法律的なことを申し上げたいですが、昔、優生保護法という法律があって、ご病気だったり心身に障害があればだいたい、あるいは不妊手術を強要されて、今やっと国では明らかに憲法に違反していますし、裁判でも東京高裁や大阪高裁で問題が指摘されましたので、これから国がどうするか。
これは1948年戦後すぐに始まった法律で、1996年に廃止されるまで、幾多の障害ある人の存在を抹殺したと、あって、子どもを持ちたい人の思いを思いを、今もなお差別偏見は更に根強くなっています。

 私や船後さんは反対しましたが、「生殖補助医療」というのがあって、今、卵子だ精子だと取り出してどうするということが技術的には可能になったけれど、その法律の前段に、「心身ともに健やかに生まれる」という法律の目的があるのですね。「心身ともに健やかに生まれる」って何でしょうか。

 子どもはただ生まて来るんです。ただこの世に産声をあげるんです。健やかに生まれるか、健やかに育てるかは私達社会の側の問題であって、子どもにそれを求めたら、やっぱり危険性があるとか可能性があるとか受精卵や様々な出生前診断が拡大していっています。

 そのさなかでこういう会を持っていただいたこと、本当に感謝しますし、私は今、本会議中なので、このまままた戻りますけれど、今日のお話を多くの人に伝えますし、また伝えていかねばならないと思います。
ありがとうございます。

(テープ起こし・文責:百溪英一)

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