障害者権利条約と世界の国々(解説)
障害者権利条約と世界の国々《JD仮訳》について。
日本障害者協議会という組織は地道で優れた仕事をしていると思います。
本来なら、内閣府や外務省、厚労省でやるべき仕事でしょう。
日本の外務省のページはこちらです。
人権外交と銘打ったタイトルの全文はこちらです。
日本障害者協議会が各国版の翻訳をしているのはこちらのページです。
ぜひ、親の会の学習会などで利用したら良いと思われます。
障害者権利条約の条約の主な内容としては、
(1)一般原則(障害者の尊厳、自律及び自立の尊重、無差別、社会への完全かつ効果的な参加及び包容等)
(2)一般的義務(合理的配慮の実施を怠ることを含め、障害に基づくいかなる差別もなしに、すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進すること等)
(3)障害者の権利実現のための措置(身体の自由、拷問の禁止、表現の自由等の自由権的権利及び教育、労働等の社会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定。社会権的権利の実現については漸進的に達成することを許容)、(4)条約の実施のための仕組み(条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置。障害者の権利に関する委員会における各締約国からの報告の検討)、となっています。
障害者権利条約は、2006年12月13日に国連総会において採択され、2008年5月3日に発効しました。我が国は2007年9月28日に、高村正彦外務大臣(当時)がこの条約に署名し、2014年1月20日に、批准書を寄託しました。また、同年2月19日に同条約は我が国について効力を発生しました。
この写真は文教出版のオンラインマガジンよりお借りしました。
素晴らしくわかりやすいオンライン教育資料です。合わせてご覧ください。
さて、日本がこの条約を批准しているのに、なぜ、政府厚労省はダウン症の命に対する選別排除を積極的に進められるのでしょう。そして、2/17日の質問主意書の答弁で明らかにされた、全国組織であると称してきた「日本ダウン症協会」までこの優生政策を妨げなかったのは何故でしょう。皆さんでまずお考えください。(衆議院の質問本文情報も参照のこと。)
もっとも、これを批准しているイギリスでは障害があれば出産直前まで中絶が許されている「胎児条項を」を有しており、ダウン症の人が、この法律は明らかに人権侵害だと裁判に訴えても、企画されている現実があります。(英国の胎児条項法文)
判決が下されたあとの原告の人たちの会見(YouTube)を見ましょう。
今、障害がなくとも人は必ず障害者になります。他人事ではありません。
こう言った資料を読んで、皆様にしっかり考えて欲しいと思います。
(DSIJ事務局長 百溪英一)