船後靖彦参議院議員のコメント(3.17学習会)
船後靖彦議員(れいわ新選組)からのメッセージ
「出生前検査と障害者の尊厳、人権学習会」3月17日(木曜日)午後1:00~ 3:30 参議院議員会館
出生前検査と障害者の尊厳・人権学習会にお集まりの皆さん、こんにちは、れいわ新選組参議院議員の船後靖彦でございます。妊娠初期の段階で妊婦の血液から胎児の染色体疾患を推定する新型出生前診断は従来から要請判定を受けた妊婦の多くが中絶をしている実態であり、命の選別につながるという疑念がされていました。
今回の指針の改定で、35歳以上という年齢制限が撤廃されました。また、検査機関の基準が緩和され、より一層検査へのハードルが低くなり、検査としてマススクリーニングに近い状況になってしまうのではないかと危惧しています。
今の日本は残念ながら障害のある人が、生きやすい社会とは言えません。私自身ALSと診断されたとき、全身麻痺になって家族に介護負担をかけるくらいなら死んだほうがまし、死にたいとばかり考えていました。それは重い障害や難病とともに生きている方の生活、生き方、生き様を知らずに来たゆえに障害や病に対する偏見や否定的な感情が自分の中にあったからだと思います。同じALS患者のピアサポートに関わることになって、まだ自分にやれることはあると思い直し、人工呼吸器をつけて延命することを決意しました。今の私はどんな重い障害があっても、必要なケアや支援さえあれば、自分らしく生きていける、身体は動けなくなっても、可能性は無限大だと言えます。
ダウン症などの先天性の病気を持つ人が、社会の中で自分らしく暮らしている姿を見ていたら、出生前診断で染色体に異変があるかどうかを調べたいと思う人も減るのではないかと思います。
望まれて生まれる命とそうでない命の選別を、妊婦とそのパートナー個人の選択に任せるのではなく、どんな命も大切にされ、尊厳を持って生きていられる社会にしていくこそ私達政治家に課せられた責任だと思っています。
同様に、新型コロナウイルス感染患者急増によって人工呼吸器やエクモなどの医療資源が不足し、その配分をめぐり、トリアージが必要だという議論も起きました。しかし、年齢や障害という、何らかの特性によって生存可能性を放棄されることは、コロナ以外の状況においても社会的に弱いものを選別して、排除することに繋がりかねません。
そうならないように医療体制をしっかり準備することこそ力を注ぐべきだと私は思いますと声明を出しました。障害や病を持ちながら、生きている私達や家族が、多様な生き方、自分らしく豊かに生きていることを社会に発信していくことで命の選別に抗っていくことになると思います。どのような命も尊ばれる社会をともに作ってまいりましょう。(テープ起こし:百溪英一)