ジェローム・ルジューヌ教授研究会が発足
ジェローム・ルジューヌ教授はダウン症を持つ人間の生命の美しさと純粋な心に魅了され、原因の究明と治療法の研究に没頭し、ダウン症の原因となる21番染色体の過剰を発見した近代遺伝学のパイオニアである。
同時に、科学と良心を兼ね備えた医師として、患者の尊厳を重視してダウン症の人の命と人権擁護を訴え続けた。その活動は国際的な世論の称賛を浴び、世界中で講演し、数々の科学賞や研究資金を得た。
しかし、その後、出生前検査・中絶推進する医師らが台頭しはじめ、胎児の命を擁護する彼を攻撃の対象とし、彼の評判を落とすことに邁進した。そのため、ルジューヌ博士の業績に対して2度もノーベル医学章候補にノミネートされたが受賞できなかった。科学は人の幸福のためにあるはずである。
ひとの生命や人権が軽んじられる昨今、ルジューヌ教授の研究行政の意味と医学の道を追求した姿勢から私達は学ぶことがたくさんある。比較医学研究所の百溪は若い頃、パリのパスツール研究所(結核研究室)でハンセン病や結核の研究をしましたが、当時ネッケールこども病院にあったルジューヌ教授の遺伝科でダウン症の人の命と人権のレクチャーを受けた。
そして、2023年にオード・デュガス氏の出版したルジューヌ博士の伝記を翻訳して2024年に出版した。この最新の伝記を書くために、著者のオード・デュガスは11年間かけて何千もの資料を調査した。
彼女はルジューヌの妻や親族、患者の家族、フランス人および外国人の協力者たちとじっくりと面会した。彼女の詳細で生き生きとした描写はジェローム・ルジューンがいかに生きたのか、行動力と心の内面を知るように読者を誘う。
ローマ法王をはじめとする、世界の偉大な指導者らと親交のあった卓越した科学者であり、献身的な夫でありやさしい父親でもあったジェローム・ルジューン博士の原動力となったのが純粋で優れた人間性を持つダウン症の人々と奥様のビルテさんの存在であったことを読み取っていただきたい。
この研究会は一般社団法人比較医学研究所内に事務局を持ち、ルジューヌ教授の医学研究者そして正義の人としての業績から学ぶことを目的とします。https://cimrin.jp/2025/09/09/j-lejeune-study/
興味をお持ちの方は以連絡をしてください。
事務局宛メールは lejeune@cimrin.jp